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HAPPY UBUD DAYS

1999-2000 初めての海外旅行(インド・ブッダガヤ)

投稿日:2014年10月24日 更新日:

コルカタからブッダガヤへ

生まれて初めて夜行列車に乗る。3段で向かい合う形で、普段は真ん中の段は折りたたんで背もたれになる。

なので真ん中の通路を挟んで2列、1列には3人が並んで座り、寝る時間になると真ん中の段を倒して、それぞれの段に移って寝る方式。

一番下段で寝る私。向かい合う列の中段ではおじさんが紙の包みからごそごそとサモサを出して食べている。美味しそう。他にもご飯を食べている人達がいる様で、列車内はほんのりカレーの匂いが。

わたし
あぁ、やっぱりインドはカレーなのね!と妙に感心。

電車は快適で、翌朝にはガヤ駅に到着。ブッダガヤは駅から遠いので、さあどうするかとザック背負って駅の外に出ると、リクシャーの運転手ご一行様が『おーい!おーい!』と出迎えてくれています。あまり嬉しくないお出迎え

初の海外、価格交渉というものをした事が無かった私。強気に行きます。当時はさじ加減を知らないし、実際いくらなのか分からない。なので相手の言い値の半分を言ってみて、すぐに怒る様ならそこから少しずつ上げていきお互いの納得する金額に。すぐに良いよ!となったら、いやちょっと待って!とそこから更に値切り、という方法。後はもう、5ルピーとかの違いなら良いわ、という具合。別に死ぬほどお金が無く、貧乏旅行をするのが目的では無かったから。

と、話は逸れたけど、結局バスに乗ってブッダガヤへ。出発してすぐ、集落の角地、野菜を売っている軒先で、牛がモシャモシャと売り物の野菜を食べて、それをサンダルでボカボカ叩いているおばあちゃんがとても印象的だった。

田舎道をバスに揺られること20分くらいだろうか、遠くに岩山が見える。『前正覚山』と言って、お釈迦さんが何年も苦行をした山なんだそう。でも悟りを開けなかったそうで。(その後、後ほど書いているけどマハーポーディ寺院の菩提樹の下で悟りを開く)

お釈迦さんは山を下りて、スジャータという女性に乳粥を頂く、という話があり、今その場所は『スジャータ村』という村名なんだそうな。

TBSラジオを聴きながら育った私は、時報前のスジャータのCM『スジャ~タ♪スジャ~タ♫しろいひろがりスジャ~タ♬』という歌がず~っと頭の中を流れ続ける。

そんな事を考えている内に、ブッダガヤの町外れであろう場所でバスを降りる。すぐに駆け寄ってくる『ハローフレンド君』達。こちらは無視して歩いても『どこへ行く!?どこに泊まる!?』ず~っと、ず~~~っと付いてくる

歩いてすぐの場所に、目星を付けていた宿があり、そこへ入るもまだついてくる。しつこいなー。宿の人も困った顔しているので『この人知らない』と言うと、ほら出て行けと言わんばかりに追い払われていた。

謎の日本人旅行者

とりあえず腹の調子が悪いままなので一休み。しばらくすると、部屋をノックする音と『すいません』という日本語が。

ドアを開けると見たことの無い日本人男性がインド人男性3名と一緒にニコニコしながら立っている

『はい、何ですか?』と聞くと、『いや、彼らがここに日本人がいるからというので』と言う。

『はい、それで?』と更に聞くと『え、いやぁ~』とかゴニョゴニョ言ってる。

体調がすぐれない事を伝えて、お引き取り願う。寂しかったのか何か知らんけど、人恋しかったら日本人が集まる様な宿探して行ったら良いのにと思うし、そうで無ければ会いたい理由くらいちゃんと答えて欲しい。子どもじゃないんだから。いや、子どもでも『ねぇ、僕と遊ぼうよ!』とか言うよなー。

どこの誰だか知らない上に、見知らぬインド人のお兄ちゃん数名連れでは体調良くても行動を共にする事は出来ない。

わたし
ひとりで放浪していると確かに寂しいと思う事もあるけど、逆にひとりだから楽しめる事も沢山あるのになぁ。もちろん旅の途中で意気投合して一緒にしばらく移動する、なんて事もおおいにあるし、それがまた醍醐味でもあったりするんだけれど。

ブッダガヤの銀座

そんな私は夕方頃に歩いてブッダガヤにある『マハーポーディ寺院』まで散歩。途中『GINZAレストラン』という看板を見つける。GINZA、、ギンザ、、銀座??

メニューは確か『おじや』だったか『おかゆ』があって、これはちょうど良いなーと頼んだら、お茶漬け具無しみたいなご飯が出てきた。ビバ銀座!!

腹の調子は相変わらず。まあ熱も無いので、赤痢やチフスでは無さそう。

■ブッダガヤの大菩提寺

なぜ挨拶しない!?

翌朝、マハーポーディ寺院へ。自然と『ガンダ~ラ~♪』とゴダイゴの曲を口ずさんでしまう。

■画像:wikimediaより

境内には多くの信者が五体投地をしている。欧米人の姿もちらほら。

お釈迦さんが悟りを開いたと言われる菩提樹の木があり、かつてどこかの新興宗教の教祖が登ったか何かして、たいそう怒られたという都市伝説みたいな話を旅行中よく聞いた。

境内をブラブラしていると『おはようございます』という声が。あぁ、またインド人がガイドと称してお金を請求するのか、と何度かの声掛けを無視していると、急にグッと腕を捕まれて『ナゼアイサツシナイ!?』と言われる。驚いてその顔を見ると、なんとGINZAのオーナー。

わたし
驚いたのと、こみ上げる恥ずかしさで『おはようございます』とかすれた声で答えるのが精一杯

初の海外で、とにかく騙されないようにしよう、気をつけようという意識と、『インド人はしつこい、すぐに騙そうとする』という一方通行な情報で、すっかりインド人に対する偏見と卑下した見方でいた自分の頭をボッカ~ン!と殴られた様な衝撃

しばらく境内をウロウロしつつ、頭の中は『ナゼアイサツシナイ!?ナゼアイサツシナイ!?ナゼ・・・』がエンドレスに流れまくり

何だか頭が熱っぽくなって来たのと何してんだオレは、という複雑な気持ちになり、こりゃネパールに行ってゆっくり体調を整えよう、と思い立ち、翌朝に宿を出る。

その時気付いて、今も大事に思っている事

ちょうど宿のご主人がお仕事へ行く所で、バス乗り場へ行く途中まで肩を並べて歩く。小学生の娘さんも一緒。途中に簡易食堂があり、ここでチャイを飲もう、と誘って頂く。

財布からお金を出そうとすると手で制され『いいよいいよ』とご馳走になる。昨日の出来事を思い出し、また恥ずかしい思いになる

ご主人と別れ、マハーポーディ寺院を過ぎた辺りでバイクに乗ったおじさんに『バス乗り場行くの?乗りなよ』と声をかけてもらう。

前夜から熱っぽくて歩くのが少しきつくなっていたので、もう価格交渉も面倒になり、そのまま乗らせてもらう。

バス乗り場に到着して、いくらですか?と聞いたら『は?いいよいいよ!』と言ってブ~ン、と去ってしまった。またまた昨日の出来事を思い出して恥ずかしい思いに

ネパールへ向けて、パトナという町へ行くバスに乗る。道中ずっと昨日と今朝の出来事を反芻する。

で、結論として『どこの国だって良い人もいれば悪い人もいる。それを見極めるのは自分自身であり、周りの意見などは参考までに、あとは全て自分で体験した事だけを基準にしよう。どこの国に行こうと、偏った目で見るのは止めよう』と深く思った

わたし
今、ご縁があってバリ島で暮らしているけど、このインド・ブッダガヤでの経験が海外暮らしで現地の人達と関わる自分のスタンスの根底にあるのは確かです。

次回はパトナ、そしてネパール国境越えのお話を。

こんなワタシの過去の旅行記を『次回を楽しみにしている』と数名の方におっしゃって頂いて本当に嬉しいです!あまり伝わらない文章にお付き合い下さってありがとうございます!

確かお寺の写真とか撮影していたと思うんだけど、ナゼか見つからず。ネパール編よりアップしていきまっす。

  • B!