バリ島でのお葬式を見物に行き、危うく自分が死にかけました。
昔は王制度のあったバリ、ウブドの中心地にはウブド王宮があり、今もカーストの頂点にあります。
2007年の7月、その王族のお葬式がありました。遺体を墓地まで運ぶbade(バデ)と呼ばれる塔が一般よりも数倍の高さに。これらを大人数でコツコツと手作業で作ってしまう技術、能力は本当に凄い!くわえタバコで世間話をしながら作業するおじさん達がとてもかっこいい。
バリヒンドゥーにおけるお葬式とは
バリヒンドゥー教では『輪廻転生』の宗教観があるので、
日本のお葬式と違い、人生最大のイベントとなるのです。
こちらでバリ島のお葬式【ngaben】について詳しく書かれています。
引用元:アパ?ウブド・バリ情報センター http://informationcenter-apa.com/
参考記事を探していたら、何と嫁さんが以前コラムを担当していた、HISバリフリークの記事が!使っている画像はこのブログと結構、いや殆どかぶってますな。
ちなみに↓の動画は、王族では無い方のお葬式の様子。道一杯に棺を抱える人たちで、道路はもちろん閉鎖、いつもは路肩に駐車されている車やバイク等はあらかじめ全て移動する様に手配されます。
日本人の少年二人が、身に迫る危険を感じずにただボ~ッと棺を眺めていたので、私の『上がれ上がれ!』という声が入っています。
話は王族の葬式に戻りまして。
数ヶ月前から着々と準備が進んで、とにかく棺などの大きさが桁違い。規模も大きすぎて良く分からない。
そして葬式当日
王宮からお寺まで、ウブドのメインロードの道端に生えていた木はほぼ全て切り落とされ、道をまたぐ電線も一時的に取り外されました。先の画像にある棺やバデを運ぶ為に。なので、今まで路肩に日陰を作っていた木々はすべて根本から無くなり、何か異様にスッキリしたメインロード。
少し離れた通りから歩いてメインロードまで出るも、すでにかなりの人、ひと、ヒト。
ああ、こらダメだ、と一旦嫁さんと帰ったものの、やっぱりあの大きなバデが運ばれる所を見てみたい。そこでお寺さに先回りして見物しようと一人バイクで再度出かけることに。
お寺までの裏道はすでにバイクで一杯。歩いてお寺に近づくにつれて、人が多くなる。
これ以上先に進めないな、という所で、ちょうどバデがお寺に到着!おぉ~高いなぁ~。
忍び寄る危機
もっと近くで見たいな、、と思いながらヒトでギュウギュウの中、カメラを持つ手を上に伸ばして何枚か撮影。その時の写真がこちら↓
と、それから1分もしない内に、バデを持ち運び終わった人達が、もの凄いテンションで見物人を押しのけて逆方向へ歩いて来た。見物したい人たちは後ろから来る。棺運び終わった人たちは前から来る。で、私のいた辺りは一気に『押しくら饅頭』状態に。持ち上げていた腕が下に下ろせない。その直前の画像がこちら↓ 右に白い車があるのにご注目。
周りのバリ人の方々、それまでニコやかだった顔が一気に『これはヤバイ』という焦りの表情に。口々に『こっちくるな~!』と叫ぶものの、バデを運んでオリャァ~~!となっている人達には聞こえる訳も無く。
子ども達が大人に挟まれて泣き出したので、急いで先程の画像右に見える車の屋根の上に載せる。10名くらいの子ども達、皆『おどぉ~ざぁ~~ん!!!』と大泣き。そんな中、一人のおじさんもが『オレも車の屋根に上げてくれ』と昇ろうとして、周囲でもみくちゃになっている人達に『ふざけんな!』と怒られる。
あわや大惨事に・・
どんどん押されて身動きが完全に出来なくなる。周囲の顔を見るともの凄い形相で叫んでいる。その顔を見て尚更こりゃまずいな、、、と焦る。今ここで将棋倒しが起こったら間違い無く死ぬな。。。
子どもが屋根に取り残された車が、人に押されて動き始める。子ども達大絶叫、大人は目が飛びださんばかりの形相で絶叫、誰かの脱げたサンダルやスイカを踏む。
おぉぉ~、、、、と押されて後退すると、少しだけ路肩に逃げられる箇所があり、何とか脱出!!
ヘトヘトになりながらバイクの駐車場所まで歩く途中、知り合いのワルンのイブに声を掛けられて、今まさに体験した顛末を話すと、『あんた馬鹿だねぇ、あんな所行ったら沢山の人がいるんだからもみくちゃになるのなんか分かるでしょうに』と呆れ顔で言われる。そらそうだよな。。。興味持つのは良いけど、状況を良く観察しないと、ど偉い目に遭う事を身をもって経験した1日でした。
今回のお葬式見物で得た教訓
後に当日私と同じ様に葬式見物をしていた日本人女性の数人は、バデを運ぶ人達に押しつぶされそうな所を間一髪で後ろで観ていた人に引っ張られて助かった、またはごった返す見物客に紛れて痴漢行為をされた、などの話を聞きました。人が多く集まる場所ではスリなどにも気をつけないといけませんね。
今後も大きな葬儀があるかと思います。見学希望の方はこんな事もあるのだ、という事を私のドジな話を参考にして頂ければ。くれぐれもお怪我の無いように!