初の海外、タイ・バンコクより、エア・インディアでインド・コルカタへ。
命知らずな『イエス』
あまり思い出したくない嫌~な出来事が。と言っても誰に何かをされた訳では無くて、自分の馬鹿さ加減に。
カルカッタの空港に到着、簡素なイミグレのカウンターにて、殆ど英語が喋られない、何を言ってるのか聞き取れない私。
出発前に購入していた海外旅行の英会話本は、たとえ少しのフレーズを覚えても相手が何を言ってるのかさっぱり分からないと、会話のキャッチボールが出来ない。
で、イミグレ職員の質問に対して全て『イエス』と答えると、『OK、行って』となり、その時は疲れていたのもあって『あー良かった』程度にしか思っていなかったけど、
という事で、『無知(意識していない)のバカ』とはまさにオレの事だな、と痛感した出来事でした。
この経験のお陰で何か重要な事に関しては事細かくきっちり聞く事が習慣となり始めて(すぐにならない所が私らしい)、バリでの暮らしで大きな契約や建築時の見積チェック時に生かされる様になりました。
コルカタの安宿街サダルストリートへ
予想はしていたけど、空港を出ると『ハローフレンドッ!』と10人くらいのインド人がすごい勢いで集まってくる。しかも話す顔の距離が近い。濃いな顔が。1人が話しかけてくると他の1人がその肩をむんずと掴んで後ろへ引きはがして自分が割り込む、なんて光景も。
おー、これがインドかぁと、ノーサンキューなど言いながら、同じ便で到着した日本人のお兄さんと2人でバスに乗る。ほぼ真っ暗な中、オレンジ色の小さな外灯がぽつりぽつりと見えて、自分がインドに来た、という事がリアルに感じられる。
バスの窓はガッタガタ、車掌と思われる少年は誰かが降りたりする時、開けっ放しの後部入り口ドアから半身を出して車体の上部を手でパシパシパシッ!と小気味よく叩く。それでバスはピタっと止まる。あうんの呼吸。
闇夜の中、ナイトマーケットの灯り、その中にある小さな遊園地(バリのナイトマーケットにもある)の乗り物やミニ観覧車、カラフルな電球の色目はまるで夢に出てきそうな世界。その中を進むオンボロバス。
コルカタへ続く列車の駅で降りて、電車でコルカタへ。駅からタクシーでこれまたバックパッカー、安宿が集まるサダルストリートへ。
サルべーション・アーミー(救世軍)という安宿へ。ドミトリーは2段ベッドがいくつも並んでいる。自称ハワイで暮らしているという片足が義足のおじさんが下段、私が上段に陣取る。
外では当時日本でも郷ひろみが歌って流行っていた『アーッチーッチッ!アーチッ!』のオリジナル曲が大音響で流れている。何でインドまで来てこんな曲が。と思いつつ、腹の調子が引き続き悪いのであまり食事が出来ず、疲れのせいか一気に熟睡。
夜中の悪臭と通過儀礼
どれくらい寝たのか、夜中に強烈な臭いで目覚める。どこから臭うのか暗くて分からないので、寝袋を頭から被って寝る。
朝、ベッドから下に降りると、ペットボトルの上部を切った、大きなプラスチック容器に黄色い液体が。。。。く、く、くっせぇ~~~!!
なんと下段のおじさんがトイレに行くのを億劫がり、ボトルにおしっこをした模様。そら上にいるオレが一番臭い思いをしてるわ!!!
おじさんは特に悪びれる様子も無く、一緒に近所のお寺に行こう、などとおっしゃる。呆れつつもこのまま部屋で寝込むのも嫌なので出かける事に。
お寺では、目を血走らせながら石像のヨコに登って手を差し出しながら『オレにお金渡せ!』と叫ぶ男性が数名。ここお寺ですよね?
ノートに書かれた『私は○ルピア(時にドルや円もあったな)寄付しました』を見せて執拗に寄付金を交渉する人。ここお寺ですよね?
いつ何時、お腹のサイレンが鳴り始めるか分からない状況だったので、一緒に行ったおじさんと共に宿へ戻る。
とちゅう、サトウキビジュースの屋台があり、おじさんに『お腹壊してるならこれが良いぞ(コーラを飲め!とも言われた。当時はバカ言うな!と思ったけど今はアリだなと思う)』と勧められたままに飲む。うん、甘くて美味しいじゃないの。
これで調子が良くなるかな~♪と思った数時間後、トイレとお友達状態な私が。お腹ピーピーどころじゃなくて、シャーシャー状態ですよ。あれ?お尻からおしっこ?ぐらいの。食前食後、そうでない方ごめんなさいね。
もうこれはね、本当に辛いですね。でも他の方に聞くともっと辛い経験をされている方がまあ多くて、『通過儀礼だよねぇ』と皆遠くを見つめて目を細めますね。
次はいづこへ
初めての国内長期旅の北海道もそうだったけど、予定が組めない。今日はあそこ行って、明日はあそこ行こう、というのが。地図見るのは好きだけど、観光スポットや名所を見るよりも、自転車やバイクで移動している時が一番楽しかったのかな、と今になって思う。
で、インドも特にどこか見たい、行きたいというのが無くて、さあ次はどこへ行こうか、と。いつもそんな調子だったな。宿で知り合った日本人旅行者と話をしていると、コルカタから電車で夜に出発、翌朝には『ブッダガヤ』という、お釈迦さんが悟りを開いた地へ行けるらしい。
って事で早速電車の予約をして次の街、ブッダガヤへ!
腹の調子は相変わらずなので、バナナ&リンゴのみの毎日。